溶接作業時の必需品、スパッタシートは溶接火花・ノロ受け用のシートです。溶接工事では、火花(スパッタ)が発生します。また、有害なアーク光線も発生します。その溶接スパッタを防ぐ・受けるための重要なシート資材がスパッタシートです。主に溶接、ガス切断の際に使用します。
- スパッタシートの特徴
- 溶接工事作業で発生する、火花(スパッタ)や有害なアーク光線を防ぎます。
- 日本工業規格「JIS A 1323」A種、B種、C種の合格品から作業に合わせて使い分けが可能です。
- 1号〜6号までのサイズ規格および、希望サイズにカットして使用できるロールタイプが選べます。
シリカ繊維と耐炎繊維の特性
- シリカ繊維
- 無機質の高耐熱ガラス繊維の通称です。高熱で接炎しても赤色化するが燃焼せず、瞬間温度が1600℃以内、連続でも1000℃以内の使用であれば溶融しません。
火花・ノロを付着させやすく、火花飛散防止やノロ受け作業に最も適しています。
- 耐炎繊維(シリコンコーティングなし)
- 特殊アクリル繊維を燃成炭化した有機質の対炎化繊維で、高熱で接炎しても赤色化するが燃焼しません。瞬間温度が1300℃以内、連続250℃以内の使用であれば溶融しません。
火花・ノロを付着させやすく、火花飛散防止に適しています。また、質量の多い厚地タイプ・フェルトタイプはノロ受け作業に適しています。水を撒きますと、いっそう効果的です。
- 耐炎繊維(シリコンコーティング付)
- 特殊アクリル繊維を燃成炭化した有機質の対炎化繊維で、高熱で接炎しても赤色化するが燃焼しません。瞬間温度が1300℃以内、連続250℃以内の使用であれば溶融しません。
火花・ノロをはじきやすく付着しにくいため、後処置作業・清掃などが簡単です。飛散防止シート用やノロ受け作業に使用できますが、周辺の飛散対応・対策が必要です。
スパッタシートの織り方と特性
平織
タテ糸とヨコ糸が1本ずつ交互に織られた布で摩擦に強い。
杉綾織
ななめの線(綾目)が出る生地。平織より目がつまった、重い織物が作りやすい。
朱子織
非常に目がつまった織物が作りやすく、柔らかで織目が小さい。
不織布
繊維を紡績や織、編みなどの加工をせず、平らな状態で直接絡ませシート状に仕上げた布。
フェルト
繊維を針を使って機械的に絡ませ、圧力をかけて仕上げた布。厚さが自由だが折り曲げに弱い。
JIS A 1323について
A種〜C種で異なる厚みの火花発生用鋼板を溶断するとき、発生する火花に対し発炎および防火上有害な貫通孔がないこと。
選び方ガイド
- 素材(シリカ繊維・耐炎繊維)を確認してください。
- 織り方(平織・杉綾織・朱子織・不織布・フェルト)を確認してください。
- 表面のコーティングの有無を確認してください。
- シートサイズ(1号~6号、ロールタイプ)を確認してください。
ページ掲載の情報はココミテVol.3を元に作成しています
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